sbc · Comparison
Raspberry Pi 5 vs Raspberry Pi 4 徹底比較 — 違いとどっちを選ぶか (2026)
Raspberry Pi 5 と Raspberry Pi 4 の違いを徹底比較。CPU 性能・I/O・PCIe (NVMe)・電源要件・発熱・消費電力・ソフト互換性を整理し、自宅サーバ・電子工作・省電力運用などの用途別にどっちを選ぶかを結論から解説します。
公開: 2026-06-02GAJEST 編集部
Raspberry Pi 5
¥14,800(JPY)
参考価格 (2026-06 時点、8GB 版の一例、構成・時期により変動)
Raspberry Pi 4 Model B
¥9,800(JPY)
参考価格 (2026-06 時点、4GB 版の一例、構成・時期により変動)
スペック比較表
| スペック | Raspberry Pi 5 | Raspberry Pi 4 Model B |
|---|---|---|
| 位置づけ | 現行ハイエンド SBC (Pi 4 の後継世代) | 前世代の定番 SBC (枯れていて安定) |
| CPU | Cortex-A76 4 コア (Pi 4 比で高クロック・高 IPC) | Cortex-A72 4 コア (Pi 5 比で低クロック・低 IPC) |
| アーキ | ARMv8 (64bit Linux) | ARMv8 (64bit Linux) |
| RAM | LPDDR4X (容量バリエーションあり) | LPDDR4 (容量バリエーションあり) |
| I/O コントローラ | 独自 RP1 (USB・GPIO・周辺を統括) | SoC 内蔵 (RP1 なし) |
| PCIe | PCIe 接続あり (HAT 経由で NVMe SSD 起動可) | ネイティブ非対応 (NVMe 起動は基本不可) |
| USB | USB 3.0 ×2 + USB 2.0 ×2 | USB 3.0 ×2 + USB 2.0 ×2 |
| 映像出力 | micro-HDMI ×2 (デュアル 4K 対応) | micro-HDMI ×2 (デュアル 4K 対応) |
| GPIO | 40 ピン (3.3V、I2C/SPI/UART/PWM) | 40 ピン (3.3V、I2C/SPI/UART/PWM) |
| 無線 | Wi-Fi (dual-band) / Bluetooth / BLE 内蔵 | Wi-Fi (dual-band) / Bluetooth / BLE 内蔵 |
| RTC | 端子あり (バックアップ電池接続可) | 端子なし (基本は NTP 同期) |
| 電源ボタン | あり (基板上に物理ボタン) | なし (給電抜き差しが基本) |
| 電源 | USB-C・5V/5A (27W) 級を推奨 | USB-C・5V/3A (15W) 級 |
| 発熱対策 | アクティブクーラーがほぼ必須 | 受動 or 小型ファンで運用可能な構成が多い |
| OS | Raspberry Pi OS (Bookworm 世代) / Ubuntu ほか | Raspberry Pi OS / Ubuntu ほか |
| サイズ | 85×56mm 級 (Pi 4 とほぼ同フォーム) | 85×56mm 級 (Pi 5 とほぼ同フォーム) |
Pros / Cons
Raspberry Pi 5
Pros
- CPU が Pi 4 比で世代更新され、デスクトップ操作やビルドが体感で明確に速い
- PCIe 経由で NVMe SSD をネイティブ接続でき、起動・I/O が大幅に高速化できる
- 新設計の I/O コントローラ (RP1) で USB・周辺帯域が刷新されている
- 電源ボタン・RTC 端子など実運用で効く小改良が入っている
- デュアル 4K HDMI 出力で小型 PC 代替としての完成度が高い
- 重めの Docker・AI 推論・複数サービス同居に余裕が出る
Cons
- 電源要件が上がり、5V/5A (27W) 級の電源が事実上前提
- 発熱が大きく、アクティブクーラー (ファン付き) がほぼ必須
- アイドルでも Pi 4 より消費電力が増える傾向で、電池駆動には不向き
- Pi 4 用の 15W 電源・一部ケースがそのまま流用できないことがある
- 本体に加えて電源・冷却・ストレージの追加投資が前提になる
Raspberry Pi 4 Model B
Pros
- 1 世代前だが Linux SBC として依然実用十分で枯れた安定感がある
- 消費電力・発熱が Pi 5 より控えめで、受動冷却で運用しやすい構成も多い
- 電源要件が 5V/3A (15W) 級と緩く、対応アクセサリの選択肢が広い
- 情報・チュートリアル・既存プロジェクトの蓄積が非常に厚い
- 本体価格が Pi 5 より手頃で、軽量サーバや学習用途に十分
- 周辺アクセサリ (ケース・HAT) が長年分そろっている
Cons
- CPU 性能が Pi 5 に明確に劣り、重い処理・最新ワークロードでは見劣りする
- PCIe / NVMe ネイティブ起動に非対応で、ストレージは microSD / USB が基本
- USB・周辺の帯域が Pi 5 ほど刷新されていない
- 物理電源ボタン・RTC 端子などの実運用上の小改良がない
- 新規に長く使うなら世代の古さがボトルネックになりやすい
Raspberry Pi 5 と Pi 4 の違い (結論)
結論から言うと、Raspberry Pi 5 と Pi 4 の最大の違いは「CPU 性能の世代更新」と「PCIe (NVMe SSD) への対応」です。 Pi 5 は CPU が新世代になり、デスクトップ操作・ビルド・複数サービス同居が体感で明確に速くなりました。さらに PCIe 経由で NVMe SSD をネイティブに使えるため、ストレージ I/O と起動速度が大きく改善します。
一方 Pi 4 は 1 世代前ですが、Linux SBC として今でも十分実用的で、消費電力・発熱が控えめ・電源要件が緩い・情報量が非常に厚い、という安定運用向きの強みがあります。
選択を分ける軸はシンプルで、「性能と NVMe が欲しいか」「省電力・低発熱と手軽さを取るか」 の 2 点。重い処理や 24 時間のサーバ用途、最新ソフトを快適に動かしたいなら Pi 5。軽量サーバ・学習・電子工作の母艦として手堅く使うなら Pi 4 でも十分です。
なお Pi 5 でも Pi 4 でも「Linux が動く SBC」である点は共通で、マイコン (ESP32 等) とは用途が別物です。SBC とマイコンの使い分けに迷う場合は Raspberry Pi 5 vs ESP32-S3 比較 を先に読むと判断が早くなります。
CPU 性能と体感速度
性能差は世代差そのもの。Pi 5 は Cortex-A76 系、Pi 4 は Cortex-A72 系で、クロック・IPC ともに Pi 5 が上です。実際の使用感では、ブラウザでタブを複数開く、コードをビルドする、Docker で複数コンテナを回す、といった「待たされる場面」で差がはっきり出ます。
Pi 4 でも軽量サーバ (Pi-hole、軽い Web アプリ、ファイル共有) なら不満は出にくいですが、デスクトップ用途や最新の重めのワークロードでは Pi 5 の余裕が効いてきます。
正確なベンチマーク数値は構成・冷却・クロック設定で変わるため断定しませんが、「日常操作のキビキビ感」「重い処理の待ち時間」で Pi 5 が明確に有利、という定性的な理解で実用上は十分です。Pi 5 を快適に使うためのキット・冷却・電源の選び方は Raspberry Pi 5 スターターキットおすすめ比較 にまとめています。
ストレージ I/O と NVMe (PCIe) 対応
実運用で一番効く違いが、PCIe (NVMe SSD) 対応の有無です。Pi 5 は PCIe 接続を持ち、M.2 HAT 経由で NVMe SSD から起動できます。microSD ブートと比べてランダムアクセス・連続読み書きが大きく速く、書き込み寿命の面でも有利です。
Pi 4 は PCIe をネイティブに持たず、ストレージは microSD か USB 接続が基本です。USB-SSD 起動で速度・寿命をある程度カバーはできますが、NVMe ネイティブの快適さには届きません。
24 時間動かすサーバ用途では microSD の書き込み寿命が現実的なボトルネックになりやすいため、「常時稼働 + 書き込みが多い」用途ほど Pi 5 + NVMe の価値が大きいです。具体的なストレージ構成の考え方は Raspberry Pi 5 スターターキットおすすめ比較 を参照してください。
電源・発熱・消費電力
Pi 5 は性能が上がった分、電源と発熱の要求も上がっています。 Pi 5 は 5V/5A (27W) 級の電源が事実上の前提で、Pi 4 用の 15W 電源を流用すると、起動はしても USB 機器への給電が制限される場合があります。外付け SSD などを足すなら、対応した電源を用意するのが安全です。
発熱も Pi 5 のほうが大きく、負荷時の温度上昇を抑えるためにアクティブクーラー (ファン付きヒートシンク) がほぼ必須です。Pi 4 は構成次第で受動冷却や小型ファンでも運用しやすく、この「手軽さ」は Pi 4 側の利点です。
消費電力もアイドル・負荷時ともに Pi 5 のほうが増える傾向で、どちらも乾電池駆動は非現実的なレンジです。バッテリーや省電力前提の常時センサ用途なら、そもそも SBC ではなくマイコンが適します — この使い分けは Raspberry Pi 5 vs ESP32-S3 比較 で詳しく整理しています。
I/O・拡張性・GPIO
Pi 5 は新設計の I/O コントローラ (RP1) を搭載し、USB や周辺の帯域まわりが刷新されています。加えて基板上の物理電源ボタンや RTC (リアルタイムクロック) 用のバックアップ電池端子など、実運用で地味に効く改良が入っています。電源を抜かずに安全に落とせる・時刻をバッテリーで保持できる、といった点は常時稼働マシンで嬉しいポイントです。
GPIO は両機とも 40 ピン (3.3V ロジック) で互換性が高く、多くの HAT や電子工作の配線はそのまま使えます。ただし PCIe コネクタや一部の物理レイアウトは Pi 5 で変わっているため、ケースや一部 HAT は Pi 5 専用設計のものを選ぶ必要がある点に注意してください。
リアルタイム性が要る用途 (LED ストリップ制御やステッピングモータの精密タイミング) は、SBC 単体よりマイコン併用が定石です。これは Pi 5 / Pi 4 どちらでも同じ考え方になります。
ソフトウェア互換性と移行
OS・ソフトの世界はほぼ共通で、どちらも Raspberry Pi OS (Bookworm 世代) や Ubuntu などが動きます。Python の pip、Docker、Home Assistant、各種サーバソフトといった資産は Pi 4 / Pi 5 のどちらでも基本的に使えます。
そのうえで Pi 4 には「枯れていて情報が非常に多い」という実利があります。古いチュートリアルや既存プロジェクトがそのまま通りやすく、トラブル時の検索ヒット率も高めです。Pi 5 は新しいぶん、ごく一部の周辺ドライバや HAT 対応で確認が要る場面が残ることがあります。
「最新の性能と NVMe を取るか」「枯れた安定と情報量を取るか」 が、ソフト面でも選択の軸になります。基本的には新規に長く使うなら Pi 5、手元の Pi 4 で足りているなら無理に買い替えなくてよい、というのが穏当な結論です。
用途別の使い分け
Pi 5 が向く用途: デスクトップ代替、NVMe ブートの自宅サーバ、Jellyfin/Plex などのメディアサーバ、Home Assistant の母艦、Docker で複数サービスを同居、軽めの AI 推論、ビルドや開発の作業機。性能と I/O の余裕が効く場面ほど Pi 5 が活きます。
Pi 4 が向く用途: Pi-hole などの軽量ネットワークサービス、学習・教育用途、電子工作の母艦、消費電力・発熱を抑えたい常時稼働、すでに Pi 4 用アクセサリを持っている場合。手堅く安く始めたいなら今でも有力です。
3D プリンタのコントローラ (OctoPrint / Klipper) はどちらでも実用例がありますが、Klipper はリアルタイム制御を別のマイコンに任せる構成が標準です。プリンタ本体側の選び方は Bambu Lab A1 vs P1S 比較 なども参考にしてください。
結論:こう選べ
性能が欲しい・NVMe SSD を使いたい・24 時間サーバや重い処理をやりたい・新規に長く使う → Raspberry Pi 5。電源と冷却の追加投資は要りますが、その分の見返りは大きく、これから始めるなら基本は Pi 5 が無難です。
消費電力と発熱を抑えたい・電源やアクセサリを手軽に済ませたい・軽量サーバや学習が主目的・すでに Pi 4 資産がある → Raspberry Pi 4。枯れた安定感と情報量は今でも強力で、用途が軽ければ十分に現役です。
手元に Pi 4 があって不満がない なら、無理に Pi 5 へ買い替える必要はありません。逆に microSD の遅さ・寿命や CPU の重さに不満が出ている なら、Pi 5 + NVMe への移行で体感が大きく変わります。
さらに踏み込むなら、Pi 5 のキット・電源・冷却・ストレージの具体的な選び方は Raspberry Pi 5 スターターキットおすすめ比較、SBC とマイコンの使い分けは Raspberry Pi 5 vs ESP32-S3 比較、ESP32 系ボードの選び方は ESP32-S3 入門ガイド を参照。最新のセール情報は メイカー・電子工作カテゴリ と ディール一覧 でチェックできます。
用途別の推奨
カジュアル / 初心者向け
Raspberry Pi 4 Model B
パワーユーザー / 上級者向け
Raspberry Pi 5
よくある質問
Pi 4 から Pi 5 に買い替える価値はある?
「microSD の遅さ・寿命」や「CPU の重さ」に不満が出ているなら買い替えの価値は大きいです。Pi 5 は CPU が世代更新され、NVMe SSD ネイティブ起動にも対応するため、体感速度が明確に変わります。逆に軽量サーバや学習用途で Pi 4 に不満がないなら、無理に買い替える必要はありません。
Pi 4 の電源やケースは Pi 5 で使える?
電源は流用非推奨です。Pi 5 は 5V/5A (27W) 級が事実上前提で、Pi 4 用の 15W 電源だと USB 機器への給電が制限されることがあります。ケースは基板サイズが近いため物理的に入る場合もありますが、PCIe コネクタや一部レイアウトが変わっているため、Pi 5 では専用設計のケース・クーラーを選ぶのが安全です。
Pi 5 は本当にアクティブクーラーが必須?
高負荷を継続する用途では実質必須と考えてください。Pi 5 は発熱が大きく、冷却が不足すると温度上昇でクロックが抑えられ、せっかくの性能を出しきれません。公式アクティブクーラーやクーラー内蔵ケースを使うのが安全です。Pi 4 は構成次第で受動冷却でも運用しやすく、この手軽さは Pi 4 側の利点です。
NVMe SSD は Pi 5 でしか使えない?
NVMe (PCIe) ネイティブ起動は Pi 5 の特徴で、Pi 4 はネイティブ非対応です。Pi 4 でも USB 接続の SSD で起動して速度・寿命をある程度改善できますが、NVMe ネイティブの快適さには届きません。常時稼働で書き込みが多い用途ほど、Pi 5 + NVMe の価値が大きくなります。
電子工作・学習だけなら Pi 4 で十分?
十分なことが多いです。GPIO は両機とも 40 ピンで互換性が高く、電子工作の配線や多くの HAT はそのまま使えます。情報量・チュートリアルの蓄積も Pi 4 が厚いため、学習用途では今でも有力です。一方で電池駆動の常時センサのような用途は、そもそも SBC よりマイコンが適します。詳しくは Raspberry Pi 5 vs ESP32-S3 の比較を参照してください。